当時の私にとって、世界が完全体であるかどうかは非常に重要な問題だった。完全なる世界において私自身が必要とされず、居場所を追われるとしても、それで世界が美しくなるのなら望むところ。春の川の流れは緩やかで柳は眩しく、買ったばかりのパンの味がろくにわからないほど日差しは暖かい。なんの服を着てもどこにも属せない。私は自分が何者なのか常に怖かった。未来には明るさだけがあると信じたかった。
text 不可村
cast VOICEVOX No.7 冥鳴ひまり
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