音量注意



 夜明けが近い。家の裏手の階段をおりていく。昔、このあたりは見事な海水浴場で、シーズン中の昼間は砂と同化しそうなほど輝く肌の人間たちが海を求めて押し寄せたものだった。私も家の窓から飛び降りて沖へと走った記憶がある。今、波は完全に引いており、朝日を受けて星雲のようにきらめく泥には巨大な首が転がっている。人々は数珠つなぎに歩いて首を見ようとしている。


text 不可村
cast VOICEVOX 冥鳴ひまり
240624・240628/AI learning and Repost is prohibited.