むき出しになったぼくの頭骨にひらり落ちるはなびらをそっと摘まんでくれたその指を切り落として新しいはなびらにしたかった。舞うものより薄く嗤うぼくのこころは、桜色でも銀色でもない。あなたの咽に花弁を詰めてその吐息を終わらせ、凍る白に閉じ込める、そんな夢だけをみる。
2月 8, 2015





あのときから僕の心にある川は変わらずに流れていて、けれどその速さや色や質感は確かに変化しているのだと思うよ。それでも流れていること自体が終わらないのはその川が僕にとっての消えないテーマだからなのだということなのだろう、ここが火星なら尚のこと。僕は君の星の王子様。
1月 24, 2015





まばたきすると洗剤を雷に落ちて服から謝ることはよい悪事です。暗闇な雲だけ産み出す蛙が破きます。トイレも僕へ洪水にパレードでしたから、羽の食べましょう。)))))—->>>>>>>^^12345679「大丈夫。息をしなさい。あなたはゆるされていません。大丈夫。」
1月 23, 2015





心臓から切れないテグスが伸びていて 伸びていて 伸びていて 引っ張られて引っ張られてでも心臓はぴくりとも動かない
1月 23, 2015





「薄皮一枚貼り付けた笑みで何が物書きだ 面の皮剥がして血まみれのまま世界を書き換えろ 決してこちらを向かない横顔に ずっと焦がれ続けろよ」
「憶えていて。どんなことでもいい、僕らが生きていたこと、それに纏わることなら」
生きているという篆刻を残せ
世に刻み付けろ
歩いた道に彫り込め
人々の心臓に
焼き付けろ
1月 21, 2015





寂しいかなどと問うてはならぬ
この世に生まれ落ちた身ならば
切っても切れぬ縛り縄
必ずいだくものなのだから
素肌を素肌でくるみくるまれ
研ぎ澄まされた冬が往く
1月 20, 2015





愛しましょう、愛しましょう、この世の全てを愛しましょう。
それは憎しみとのろいと信仰に近い愛。
1月 16, 2015





ぼくがきえたひ。
それは屈服の日。他者に制圧された日。白旗をふった日。その浅ましさで、自身を守ってしまった日。
ぼくがきえたひ。
それは彼女のうまれた日。彼女が涙を流した日。プライドを捻じ曲げることで、命を守ると決めた日。
まもられたいのちで、ぼくはまたうまれる。
1月 15, 2015





思い出せないくらやみ  塗りつぶされた鏡  鏡に映らないのはだれ  わからない物体の住む部屋  知らぬ間に増える家族  知らぬ間に減る知人  振り向くと朝日  「もう勘弁してください」  「その箱を開けるな」  「あゝたがためのいのちなりや」
まだ開けるな。そしてまた落ちていく。
1月 14, 2015





この命がつきる前にどうかこの言葉が届きますように
これしか手段がないのだと筆を執り
それで本当に書きたいものから逃げ続け
それで悔やまないと誓えるか
あの日のぼくらの目を見られるか
非難の声を破れ
そして恐怖を燃やせ
その命がつきる前に、どうかこの言葉が届きますように
1月 14, 2015