2023.12//
幸福を受け取る資格=悪口を三百六十五日言わない
いつまでも迷子でいさせてくれなくて手の鳴るほうがしあわせのくに
2023.11//
そんなんで嫌いになるわけないでしょう、もっと幻滅させてください
いつかあなたがすりきれるまでそばにいるわたしのためにほろんでほしい
敷き詰めた布団を島と呼んで跳ぶきみよすべての呼び水となれ
美しく狂っていくのが走馬灯 今とあなたを置き去りにして
2023.10//
鶴よりも飛行機、かぶとを今日も折る、折ると祈るはとても似ている
あんなにも恐れた今日に僕ひとりラジオ体操なぞやっている
陰陽になるにはどこか足りなくて勾玉みたいなささみ一本
ゆるすっていうとき息が「う」になってながれるようにあなたをなでる
秋雨をさけて鳥たちことりたち #俳句
めずらしく虹がしつこくのこってる今朝見た夢の残滓みたいに
2023.08//
えいえんに孤独でいよう、孤独こそ我らをつなぐ絆であれば
問題を抱えたままで生きていたい海に嵐をおきざりにしたい
2023.07//
熱さとは幸福のこと、喉もとをすぎれば忘れるようにできてる
2023.03//
外灯を星やあなたに空目して此岸彼岸に国境はない
すずなりの後悔ゆららに引き連れてあなたはしろいしろいしろい孔雀
2023.01//
雪の小山は僕の恐竜 竜の骨 冴え冴えひかる夜更けがすみか
雪かためふみしめかためふみしめてもう自由になっていいという声
2022.07//
公園という名の墳墓または庭いつか誰かの記憶を抱いて
2022.05//
ボタンかけちがえて迎えるこの五月、去年の五月と別もののよう
見ていられないから水で黙らせるあなたが好きとささやく焚き火
たいらな日 死に体臭があるんなら春のひなたにそっくりだろね
2022.03//
桜、雨、枯れ葉、雷、雪、死角なく身投げだけ教わって今日
毎日が自殺日和の春来たり #haiku
2022.01//
あなたって誰だったっけもしかして毎晩夢で会っていたっけ
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